ファーストガンダム の ガンプラ の歴史
旧キット シリーズ
現在「旧キット」と呼ばれる、初代のガンプラは、ファースト ガンダム放映終了の1980年1月26日から約半年後の1980年7月に、バンダイより1/144ガンダムが当時価格 300円 (消費税なんてなかった)で発売されたのが最初です。
その翌月に、我々中高生の間では「予想外」といわれた、敵メカの早期プラモデル化、1/1200ムサイが発売され、その翌月に1/144シャア専用ザクが発売されました。なんとホワイトベースよりムサイのほうが先にプラモデル化されたんです。
そして、実は敵メカであるジオンのモビルスーツのほうが人気が出るという逆転現象が起こりました。私も同じパーツ構成ながら量産型ザクとシャア専用ザクの両方、そして、量産型ムサイとシャア専用ムサイの両方を(昼飯代として渡されたおカネをそのまま工面して)買って作ってました。おかげで土曜の昼は空腹を耐えるのがつらかった。
1/1200 量産型ムサイ
ジオンのMSの方が売れる、これを知ったバンダイは続々と登場兵器を製品化していきました。1/144グフ、1/144ズゴック が発売される1980年12月までは安定した供給状態でしたが、1981年3月に、1/144ジオングが出たあたりを機に争奪戦がはじまり、私自身もこのジオングをはじめほとんどの新作ガンプラが買えなかったのを覚えています。
これが、社会現象として報道もされた、「第一次ガンプラブーム」。
模型店や取扱店の開店前に徹夜組や行列ができるという模型店主もびっくりの現象。
特に我々の間で人気が高かったのは、水陸両用MSと、モビルアーマーでした。ゴッグ、ゾック、アッガイ、ビグザム、ビグロ。
モビルアーマーは実物の巨大さと価格バランスから1/550に設定されてました。
現在時折再販される1/550ララァ・スン専用モビルアーマー、当時はしっかり「エルメス」という箱記載で販売されてましてそれを買いました。
有名エピソードですが一応説明しますとエルメスというのはフランス高級ファッションブランド及び商標で、実は玩具にも「エルメス」の商標登録がすでにされていたためバンダイ側が「これはプラモとしても使えない名だ」ということで変更したそうです。
以降、とにかく出せば売れるガンプラ、脇を固める艦船や、試作型で図面にしかされていなかったアッグ シリーズ、TVシリーズと直接関連のないMSVまでもがガンプラ化されました。
1/144 アッグ
このあたりの事象を語ると膨大なものになるので省略します。
とにかく、小中学生が深夜から夜をていして店前に並ぶ事態、販売店側のコンプライアンス悪化、ガンガルのような類似ロボットプラモデルを「ガンプラだ」と偽ってよく知らないお父さんに買わせたり、「このガンプラがほしいならこれも買え」という抱き合わせ販売問題が続発し事態を重く見たバンダイは生産体制を強化、安定して製品の供給を行うようにはからい、同時にガンダム自体の熱も冷えてきたころでもありかつてのような徹夜並びほどのブームは沈静化しました。
と同時にこの時期リアルロボット黄金期でもあり、戦闘メカザブングル、聖戦士ダンバイン、銀河漂流バイファムといったサンライズアニメをバンダイが、タツノコアニメの超時空要塞マクロス、機甲創世記モスピーダ、をイマイ&アリイから(現在はバンダイが版権保有)、重厚ロボ系の太陽の牙ダグラム、装甲騎兵ボトムズをタカラが発売し、ガンプラブームは去ったものの模型店にはずらっとリアルロボ系プラモデルが占拠、といった状態がさらに数年つづきました。
ちなみに銀河漂流バイファムのプラモデルで、はじめてポリキャップが採用され、こんにちのガンプラに継承されつづけています。
ハイグレード(HG)、ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー(HGUC)
ですがやはりガンプラは接着剤が必須なのと劇中の色を再現するには塗装がかかせなく、それが若年層にはハードルとなっておりました。
かくいう私も1/144ガンダムではじめてラッカー系のMr.カラーで塗装を始めたのが中学2年でしたが、親から溶剤であるシンナーの使用に対しうるさくいわれ、ニオイがきついだの、中毒になるからだのゴチャゴチャとうるさいこといわれてたものでした。
そのハードルを下げようというコンセプトで、すでに色のついた状態で生産される「色プラ」なるものがバンダイにて量産化され、また、接着剤を使わなくても組み立てられるものを、と、1990年にはじめて「ハイグレード」の名で4体のガンダム「ガンダム、ガンダムMkII、Zガンダム、ZZガンダム」が販売されました(今は廃版)
以降、このHGという製品は「低価格帯(FGなど1000円以下)と高価格帯(MGのような高価格製品)の中間的存在」という形で継続開発・生産され、こんにちに至ります。
なかでも宇宙世紀を舞台に活躍したMSの製品には「ユニバーサル・センチュリー」の名がつけられ「HGUC」と呼称されています。この製品には、メカデザイナーであるカトキハジメ氏がリファィンしたものが起用されているのが特徴。
F91やVガンダムに登場するモビルスーツも、宇宙世紀であることから「HGUC」とされています。
HGは平均2,000円前後というマスターグレードより安価な価格帯と組み立てやすさ、色分けとシールにより実機再現性が高い点から、種類も多く、とくにファーストガンダム時代に登場したMSはすべてHGUC化されました。
発売日等参考: wikipedia ガンプラの一覧
記述:HN 三葉柊(さんようしゅう) 旧名NATZ