そもそもなぜムラが発生するのか
広い面の塗装では、一回筆を走らせるだけでは全面を塗装しきれないので、何回も筆を走らさねばならなくなります。
当たり前のことですが、筆塗り塗装は、筆に塗料を染み込みふくませ、それをプラモデルなど塗装面に付着させることで塗装を致します。
プラモデル面に、含ませた筆から塗料が離れ塗られていくわけですから、当然、筆にふくませた塗料は次第に含ませ量が減っていきます。つまり塗るたびに塗装面に塗られていく塗料の量も減っていきます。
1回目よりも2回め、2回めよりも3回めのほうが、塗られる量は少なくなっていきます。(下はイメージ図)
なので1回目が乾かぬうちに2回めをやや重ねてぬり、前回の塗面と今回の塗り面をなじませ段差をなくそうとするわけです。
ですが塗る面積が広すぎると乾燥のほうがはやく、なじんでくれない状態が生じてしまいます。
なじんでくれなかった面はその状態で乾燥し、段差ができた仕上がり方になってしまいます。
これが筆ムラ。
ムラを出さない方法その1 乾燥が遅いエナメル系塗料を使用する
タミヤから発売されているエナメルカラーは、他のラッカー系、水性アクリル系塗料と比べて、断然乾きが遅い。
ゆっくりと硬化していくので、筆の塗り跡がなじんで消えやすいんです。
これなら、前回の塗装面が乾かぬうちに急いで2回めを・・・・と焦る必要もなくなります。
ムラを出さない方法その2 一気に塗らずパネルごとに塗る
これはガンプラのような、ディテールが細かいパーツに対し有効な、どちらかといえばだまし技なのですが、
広い面積が不得意、だったら、面積を小さくすればいい、の発想で、パネルラインと呼ばれる線を自作して、その範囲内で塗ってしまおうという技。
この写真は旧キットドダイYSですが、マスキングテープを使って、勝手に区切りを作ってしまいました。
もっともらしくそれっぽく見えるラインをひいて、そのラインを境界線に、ここまで、と塗る範囲を決めて塗っちまおうという魂胆です。
これなら、塗る面積が小さく狭められるのでムラを気にせず一気に塗ることができます。
旧キット・グラブロの胴体も同様の方法で塗りました。
この四角く囲ったマスキングテープの範囲だけを塗ります。
それが乾いたらテープを剥がし、さっき塗らなかった面をマスキングしなおしてから塗ります。
境目はラインを引いたりスジ彫りしたりしてごまかします。
設定にない線を自作するので、時と場合によっては慎重論もでますが、ムラがでにくいひとつの技として参考にしていただければと思います。
ムサイの胴体部。白く見える区切り線すべて勝手に自作したものです。